メッセージ

病院長挨拶

つくばセントラル病院

院長 金子 剛

プログラム管理責任者

世界で一番高齢化が進む国、それが私たちの日本です。そしてその医療現場こそ、君たちの活躍する本舞台です。超高齢社会における医療現場では、疾患単位での経験を積む研修だけでは必要十分とは言えません。ぜひ全人的な観点からの医療経験を若いうちに研修していただきたいのです。

つくばセントラル病院・わかたけヘルスケアシステムでは、急性期医療から回復期、慢性期や在宅といった医療分野だけではなく、入所施設(老健施設、特養、介護医療院、グループホーム、ショートステイ、ケアハウス、軽費老人ホーム、サ高住、小規模多機能施設)および在宅サービス(訪問・通所介護、通所リハビリ、居宅介護)などを展開し、来るべき時代に備えてまいりました。 これらの連携を通して次世代に望まれる医師としての研修を提供します。当法人全体で1100を超す(入院355床・入所831床)のベッドには善き医者への道標となる患者さんが待っています。

そこには、何か似ていて、どこかが違う、十人十色の課題があります。症例ごとに違う課題に格闘する中で、誰しもが唯一の存在である、という事実に気づくでしょう。それであるが故、その課題を自分事として全体最適を目指し格闘する、この連続性にこそ医師の素養を磨く方途があると信じています。
全人的なチャレンジ精神旺盛な研修医諸君を心から待っています。

指導医インタビュー

循環器内科 部長

吉田 郁雄

副プログラム管理責任者

自己紹介

神奈川県生まれ、茨城県育ちです。1999年筑波大卒、そのまま筑波大学附属病院で2年間内科研修を行い(当時はまだスーパーローテートの時代ではありませんでした)、3年目で循環器内科を専攻しました。循環器内科というとカテーテル治療や救急対応など華やかなイメージが強いとは思いますが、自分はそれよりも、心電図をパズルのように読み解いたりいろいろな画像検査を解釈すること、心エコーやスワンガンツカテーテルで得た各種パラメーターから心不全の血行動態を推測する数学的な所が好きで、循環器診療を選びました。

つくばセントラル病院の臨床研修の特徴や魅力を教えてください。

三次救急指定病院ではありませんので、最重症の患者さんを管理するのは正直難しいです。ただ法人内で独自の救急隊を組織しており、救急車の受け入れ台数は年々増加傾向で、2022年度は4000台を突破しました。二次救急から往診診療・緩和ケアまで幅広く診療しており、多くの疾患や患者さんの背景に応じた診療を経験できます。その中で特徴をあげるとすれば、血液透析症例が非常に多いため、合併する心血管疾患も必然的に多いこと、出産や泌尿器科疾患の手術、骨粗鬆症関連の症例も多く取り扱っています。悪性腫瘍に対する放射線治療(定位放射線治療やトモセラピー)を行うための設備を有していることも特徴だと思います。

医師間の上下関係が厳しいわけでもなく、医師以外の医療スタッフとも皆仲良くしています。私見ではありますが、患者数に対して常勤医師の数が比較的多いので、ゆとりのある診療ができるのではないでしょうか。

毎年数人の研修医の先生をお迎えしておりますが、今までは早い時期にできるだけ多くの同世代の先生方と交流を持っていただくこと、学術的にも充実した環境での業務を経験していただくため、筑波大学附属病院にご協力いただきはじめの数か月間は筑波大で研修を開始していただくようにしておりました。その後、つくばセントラル病院に戻っていただいて研修を継続していただきます。

特別に複数の研修プログラムを決めて用意はしておりません。どうしても必修の診療科・診療期間、経験すべき症候や手技が規定されておりますので、その分を確保したうえで、残りの期間は皆様方が希望される診療科での研修をなるべく希望通りにローテーションしていただいております。

研修医への指導の際、心掛けていることを教えてください。

私個人は、研修のはじめの期間は診断プロセスを優先し、患者さんの症状や検査所見から特定の診断を決めつけるのではなく、必ず一つでもいいので対案・鑑別すべき疾患をあげることを意識することをお伝えし、その思考過程をいかに分かりやすくプレゼンテーションできるかを重視しています。治療についてはいろいろなガイドラインが出ていますので十分な経験を積む前は標準的治療がどのようなものかを学んでほしいと思います。ただ、人間ですので上級医によって研修医の先生方の接し方、指導方法はいろいろだと思います。

どのような人につくばセントラル病院へ来てほしいですか?

極論を言ってしまえば、医師国家試験に合格した方であれば、どのような方でも歓迎いたします。今までも性格も将来の志望も様々な先生方をお迎えしてきました。ただ、医療は一人で行うものではありませんので、他の医師や医療スタッフと協調することを大切にし、受動的よりは能動的な態度で研修に望んでいただきたいです。

これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

晴れて国家試験に合格しお医者さんになったあと、若い研修医の皆様には初期研修の2年間で、将来進むであろう専門診療のスキルに特化することなく、幅広い疾患・症候に対応できる診療能力を身につけていただきたいと考えております。当院は研修中にどの診療科をローテーションするか自由度は高く設定していますが、初期研修を終えた3年目以降は専門診療の技術を深めるだけでなく、外来診療や日当直業務をその場に指導医がいない状況で一人で行い、いろいろな疾患・症候を診断して初期対応する能力が求められます。3年目に自分がどのような診療をできるようになっているかを常に思い浮かべながら、はじめの2年間でどの病院・診療科での研修したらよいかを決めていただきたいと考えております。どこで研修をしようと、いろいろな現場で素晴らしい能力を発揮していただける医師になっていただければ私個人はそれで良いのですが、その成長の場としてつくばセントラル病院を選んでいただけるのであれば、嬉しく思います。

麻酔科

副院長 髙橋 宏

自己紹介

筑波大学 1984年卒業
筑波大学レジデント、
米国ジョーンズ・ホプキンス大学研究員、
筑波大学講師、准教授を経て、
2014年から現職つくばセントラル病院副院長、麻酔科部長

麻酔科を選択した理由は、学生時代所属したスキー部の顧問が麻酔科教授であり、スキー部の偉大な先輩も麻酔科だったため

つくばセントラル病院の臨床研修の特徴や魅力を教えてください。

こじんまりした病院なので診療科間の垣根が低く、患者一人一人を多診療科で手厚く診療しているので、他科へのコンサルテーションもしやすいです。

研修医への指導の際、心掛けていることを教えてください。

やる気と勉強の進行度に応じて基礎的なことからエキスパートレベルまで指導していきます。

どのような人につくばセントラル病院へ来てほしいですか?

挨拶のできる人

これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

一緒に成長していきましょう!

産婦人科 上席部長

長田 佳世

自己紹介

茨城県出身で、平成2年に筑波大学を卒業しました。卒業後、すぐに筑波大学の産婦人科医局に入局しました。その後、主に県内の様々な場所で勤務をし、平成18年からは現在の病院で勤務しています。進路を決める際に、新生児科に強い魅力を感じましたが、NICUの実習中に保育器の中の赤ちゃんを見て、仮死や早産が予防できればと考え、産婦人科を選びました。産科のみならず婦人科の腫瘍治療、月経トラブル、更年期障害の対処、女性アスリートの支援、性暴力被害者の援助など、外科的なアプローチと内科的なアプローチを両方含む、臨床から公衆衛生に至るまで幅広い範囲をカバーする点が産婦人科の魅力と思っています。

つくばセントラル病院の臨床研修の特徴や魅力を教えてください。

当院の産婦人科では、主にローリスクの妊娠・出産や婦人科良性腫瘍の手術を担当しています。また、地域社会におけるゲートキーパーとして、ハイリスクな妊娠や悪性腫瘍の早期発見にも努めています。当院には母乳育児や漢方医学などの専門家も在籍しており、これらのレクチャーも受けることが可能です。さらに、学校における性教育や母体および新生児の急変時の対応を学ぶためのシミュレーション研修に参加する機会も提供しています。

研修医への指導の際、心掛けていることを教えてください。

私が研修医への指導を行う際、最も心掛けていることは、一つ一つの症例を大切にすることです。例えば、分娩が進行している時には、必ず「何時ごろに出産するか、予想を立ててみましょう」と伝えています。初産か経産か、患者の年齢、身長、体重等の情報をもとに、ベッドサイドで陣痛の間隔や痛みの強さ、努力感の有無等を確認して予測を立てます。予測が当たっても外れても、それに何らかの理由があるはずだと考え、その理由を見つけることの重要性を伝えています。これは分娩だけでなく、全般的な医療行為にも当てはまると私は思っています。患者の訴えや検査結果から必要な情報を得て診断や治療を行うだけではなく、その後の経過を患者自身に伝えられるようになることも大切だと強調しています。

どのような人につくばセントラル病院へ来てほしいですか?

ここで研修を受けたい!とおっしゃってくださる方は、どなたでも大歓迎です。

これから初期臨床研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。

私が医師になったころは現在のような臨床研修制度は無かったので、様々な診療科を経験出来るのは羨ましく思います。数カ月で新しいところに移るのは大変だと思いますが、実際に働いてみると学生時代には感じなかった魅力を感じる科を見つけることも出来ますよ。いろんな先生と知り合うのも大事な経験だと思います。